水晶は、二酸化珪素(石英)の単結晶であり、古代から神事や司祭に用いられ、また宝物として珍重されてきました。貴重な宝石として、またアクセサリとし て、人々の胸元や指に今も光輝いています。1880年にJ.キュリーとP.キュリーは、「圧電効果」があることを発見しました。「圧電効果」とは、水晶に 機械的力を加えると、電気を発生する現象をいいます。逆に水晶に電気信号を加えて機械的に振動させる「圧電逆効果」があります。この原理(効果)を電気装 置に利用すれば、水晶を電気産業に活用できます。電波の発見により、電波が通信手段として利用されるようになり、また安定な信号を得るために水晶が用いら れるようになりました。その後、多様な研究と成果により、水晶が通信の必要不可欠な電子部品として利用されるようになりました。携帯電話の進展、デジタル ビデオの普及、自動車のエレクトロニクス化、さらに家電製品のデジタル化が進展しています。これらの中の電波発振源やコンピュータ・マイコンの時間制御な どに水晶製品が使われています。

一方、電気的な活用以外にも水晶の持っている特性を生かして、産業に活用しています。水晶等の物質に光が入射するとき、2つの屈折光が現れる現象としての 複屈折性、及び、水晶等の物質を通過する光の偏光面が回転する現象としての旋光性等の光学的な性質を利用してビデオカメラ、デジタルカメラ、そして光ディ スク等に適用されています。

他方、ジャイロに代表される位置センサーとしても利用されています。また、環境ホルモンセンサーや医療関係に適用する 生体センサーに水晶振動子が活用できる可能性があり、これらの研究が進んでいます。水晶の今後は、現状よりも精度の高い発振源、正確な時間制御として、ま た光信号を処理する光学製品として、更に高精密センサー用に益々応用分野が広がってゆくでしょう。